2008年10月23日木曜日

富山!!

昨日は、父と父の知り合いの方と3人で富山の井波に行ってきました。
父の知り合いというのは、現在来日中のドイツ・ミュンスターの漆美術館の館長、モニカ・コップリンさんです。
知的で、とても素敵な女性です。
富山での目的は、漆の作品を収集しているコレクターさんの所で黒田辰秋の作品を見せて頂く事でした。私は運転手として便乗させてもらいました。
目的の作品を見せて頂いた後、コレクターさんが代々経営されている銘木店の中を案内して頂きました。

銘木店に来たのは初めてでした。広い倉庫には銘木がずらりと並んでいました。


20年に一枚取れるかどうかという、大変珍しい玉目の板もありました。








屋久島の杉の一枚板です。幅が2m近くありました!






富山から金沢へ戻り、そのまま今夜、東京へ出発です。
姉の強引な誘いにより、明日、アイスランド出身のシガーロスの
ライブへ行きます!


富山で見た黒田辰秋の作品は、金沢に戻り次第、アップします。


では、行ってきます!!!

2008年10月22日水曜日

照明

今日の午後は神社に行ってきました。作品を見に来られたお客さんの中に、「会場内が暗すぎるので、もう少し明るくして作品を観たい。」という意見がありました。また、夕方になると拝殿がとても暗くなってしまうため、検討も兼ねてセッティングすることになりました。

最初は、スポットを当てて作品の周りを照らすことを考えていましたが、漆にライトの光が映り込んでしまい作品の邪魔になってしまいました。悪戦苦闘した結果、作品の後ろにあるぼんぼりの光を少し明るめの電球と取り換えることにしました。

やはり、漆の艶は自然光の中で見るのが一番美しいと私は感じました。嫌らしさが無く漆の艶が自然に見えるからです。

 今回の展示は、少し薄暗いと感じるかも知れませんが、照明で演出したりはせず、ありのままの神社の中に作品があるという方が私の中ではしっくりきました。

そうすることで、時間の経過によって作品に映り込む景色や明るさが変わっていき、漆がいろいろな表情を見せることも作品の一部になればと思います。

2008年10月21日火曜日

”サイン”

金沢アートプラットホーム2008が始まって、2週間程が経ちました。
身近な方々から、「見に行ったよ!」と声をかけていただくことが増えてきました。
ここ金沢の展覧会に出すことで、普段お世話になっている金沢の方々やたくさんの友達にも作品を見てもらうことができてとても嬉しいです。

最近一つ戸惑っていることは、”サイン”です。
展覧会が始まって、サインをお願いされる機会が増えました。
これまで自分のサインを書いたことがなかったので、どう書いてよいかわかりませんでした。
とりあえず、他の作家の見よう見まねで筆記体で自分の名前を書いてみたり、漢字で走り書きをしてなんとかしのいでいました。

が!

今回は、美術館の方に金沢アートプラットホーム2008に参加された作家の皆さんのサインが集められたスケッチブックにサインを頼まれました。
一晩悩んだ末、このようになりました。
私らしいといえば私らしい、サインと呼べるのかわかりませんが、普通になってしまいました・・・(笑)




”サイン”の研究も少しは必要なようです。

2008年10月20日月曜日

私の作品と漆

今日は、集中講義がありました。講師は、東京都国立近代美術館 工芸館 課長の金子賢治先生でした。今日の講義は、「日本の近代工芸の歴史と現代工芸論」です。日本の近代工芸というのは、西洋のように概念から素材にアプローチするのではなく、すぐそばに、以前から存在し慣れ親しんできた素材をまず限定し、その中から新しい概念を作り出すというように動いてきたのが、日本で生まれた作家だそうです。素材を限定することを出発点としているところが、欧米、特にヨーロッパと決定的に違う部分だそうです。それを、金子先生は『工芸的造形』という言葉で表していました。とても、興味深くわかりやすい講義でした。

私自身の作品について考えてみると、自分の表現したい核が、漆の素材が持つ表面の艶や奥行によって創造を掻きたてられていることから、工芸的造形ともいえるのですが、私の場合、もう1つ”人間”という大きなテーマがあって、それと漆とが今後どのような関係で作品として成立していくのかを模索していく必要があります。これはいわば、概念から作り出すという西洋的な部分も含んでくるのではないのかと考えています。

2008年10月19日日曜日

ついに!!

これまで時間的な余裕がなくて、他のアーティストの作品を見ることができませんでしたが、今日は、遂に、「金沢アートプラットホーム2008」を巡ってきました!

今日の金沢は、秋晴れのとても気持ちの良い天気で、金沢の町を歩くには絶好の日でした。

まず、21世紀美術館・・・
藤枝守 《エオリアン・ハープ・リザウンディング~樹木をつなぐ声》 




”樹木に張り巡らされたエオリアン・ハープの弦によって、樹々を渡る大気の呼吸は響きとなってもたらされる。”という作品です。残念ながら、今回は、その響きを聴くことはできませんでしたが、すっきりとした青空にハープの弦がピーンっと張っていて、視覚的にも美しい作品でした。

次に、玉川エリア・・・
高橋治希《ウシミツ》
”古い町屋の前に広がるアスファルト道路がそのまま屋内にもつらなり、アスファルトの草が芽生えている”という作品です。薄暗い部屋の中を進んでいくと、足元いっぱいに灰色の草が広がっていました。




そして、そのすぐ近くでは・・・
友政真理子 《「カミフブキオンセン」》 《お父さんと食事》
大量に敷き詰められたカミフブキは、とても気持ち良かったです!

結局、一日では、全てを巡ることができませんでしたが、残りの作品も時間を見つけて巡りたいと思います!
それから、今日は、金美大の先輩や先生方が展示している「ギャラリー点」にも行ってきました。「61in3+1/8」という企画で、制限されたサイズの小さな箱に合わせて作品を作り、作家それぞれがその作品に値段を付けるというものです。見にきたお客さんが作品を見て気に入ったら買うことができます。ギャラリーで見るだけでなく、気に入った作品を手元において楽しむことができるというところがおもしろいと思いました。こういった小作品のみによる企画展は珍しく、以前、私が東京のギャラリー手で作品を展示したとき、私の小さい作品を買ってくれたご夫婦のことを思い出しました。私の作品を身近に置いて、喜んでもらえていると思うと、とてもうれしいです。
最後に、今日の北陸中日新聞の朝刊に、金沢アートプラットホーム2008の記事が載っているのですが、私の作品の写真も掲載されていましたので、機会があれば、ぜひご覧ください。